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ところで8月14日に約5カ月ぶりに雪上に立った時はどのような気持ちでしたか。膝の状態はやはり気になりましたか。
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「感情もとくになかったし、膝もまったく気にならなかったですね。その時点で膝の状態はまったく問題のない状況だったので、それよりもとにかく1日でも早く新しい用具をわかっていきたいという気持ちが強かった。新しい用具と自分の滑り、その感覚をマッチングさせていくためには、何をしなくてはならないのか。それだけを考えていました。
ただやはりケガした膝は身体の内部のことなので、今のところ問題はないけど、今後リスクの高い運動を増やしていった中でどのような反応を起こすのかは、正直やってみないとわからない面はあります。どんなスポーツでも100%の力でいった時は、かならずケガのリスクは高くなりますよね。その時にたとえば身体が疲れていたりすれば、そのリスクはさらに高くなります。だから今年は専属のマッサー(植野悟氏)と契約し、つねにケアしてもらうために遠征にもほぼ全日程に帯同してもらうことにしました」。
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ケガはスポーツ選手にとって付き物。だけど、つねに身体を良い状態に保てばケガの確率を最小限に防ぐこともできるだろうし、膝への負担もある程度、未然に軽減することができる、ということですね。
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「そう。身体のことは自分自身がわかっているつもりだったけど、でもケガをとおしてそうではないことを学びました。ケガした膝も、新しい腱なのでどこまでついてこれるのか、どの状態になると危険なのか、そうした判断やケアはやはり専門家でないとわからない部分がある。身体をつねにケアして良い状態を保ってケガが悪化してしまったのならばそれは仕方がないことだけど、昨年、足首と膝の靭帯と2度もケガしたことは、やはりケアが足りなかったことも原因のひとつではないかと思うんです。その失敗はもう繰り返したくないから、今年は自分にない知識の中で必要なものはすべて取り入れ、そのためのスタッフも揃えました。ベストを尽くすためにできること、そのすべてをこれまでしてきたつもりです。滑りや用具に関しても自分の中でこうしたいという理想もはっきりとしているし、だから不安はまったくありません」。
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シーズンが少しづつ近づいていますが、今はどのような心境ですか。やはり特別な思いはありますか。
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「楽しみももちろんありますけど、うん、でもそれも含めていつもと変わらない、普通という感じですね。最終的な目標があって、そこに向かう過程で新しい課題が次々に増えながらも、それをひとつひとつ消化して頂上をめざす。その途中の登り方が少し変わっただけで、目標もそこをめざすこと自体は何ら変わらないわけですから、ケガをして復帰して、マテリアルを変えたからといって何か特別な思いがあるということはあまりないです」。
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今の状況ならば予定どおり、11月の北米シリーズからいけそうですが、今季の具体的な目標はありますか。
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「4年後のことを考えて最低限いなくてはいけない場所(第1シード)はありますので、そこにはこだわりますけど、今年に関して言えば数字であったり結果を求めて身体を動かすのではなく、新しい用具の要求に応えることに時間をかけたいと考えています。優先順位をつけるとすれば、雪との距離を近くすることがまず最重要課題。その結果、どのような数字が出てくるかということを確認したいと思っています。とにかく今はもっとスキー板とブーツのことが知りたいという気持ちが強いですね。あと去年と決定的に違うのは、去年は現状でやれることは決まっていて、そうした固定されたものの中で滑りを突き詰めていくというやり方だったのですが、今年は今まで自分が持っていなかった素材を、広くかき集めながら向上していくことができる。だからまたゼロから、まっさらな状態ですべてを吸収していければと思っています」。
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今振り返ってみて、挫折、ケガ、手術を経験したこの1年間は、今後も続く皆川さんのレース人生の中で停滞したシーズンだったと思いますか。それとも……。
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「今でも思い出したくもないシーズンだけど、けれど僕は無駄なことってひとつもないと思うほうなので、この経験も停滞ではない、うん、前進ですね。めざすところが変わったわけではないし、問題や課題が増え、それを修正することでさらに前進できる体制を整えるために必要なシーズンだったと思います。維持しようと思えばいくらでも維持できますし、前進でなければ、用具を変える必要はありませんから」。
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2002年9月16日/横浜市スポーツ医科学センターにて収録
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