■編集部員Tt・Iの2006トリノ五輪取材日記 VOL.11
イタリア・トリノより (2006/02/22)
濃霧のなかのナイトスラローム
2月22日 女子スラローム
大会は早くも終盤を迎えています。大会中盤に大きく崩れた天候も、終盤に向けて回復し、このままの天候を維持したまま、残る競技をこなせそうです。女子スラロームが行なわれた昨日22日も、日中は青空が広がり、良好のコンディションのなか、午後3時45分に1本目の競技がスタートしました。
1本目のポールセットは比較的大きめのターンが続き、リズムもある程度の一定のオープンテレグラムが主体だったために、いかにスキー板を真下に向けてくることができるかが勝負になりました。そのなかを果敢に攻めてトップに立ったのがアニャ・パーション
(スウェーデン)。2位以下を0.45秒と大きく離しますが、2位にニコレ・ホスプ、3位に新鋭のミカエラ・キルヒガッサー、6位にマルリエス・シルトと、パーションをオーストリア勢が包囲します。ソルトレイクの金メダリスト、ヤニツァ・コスタリッチ
(クロアチア) も5位につけて連覇のチャンスをうかがいます。
そんな陣形でレースは進みますが、1本目の終盤から徐々にコースに霧が降り始め、終わる頃にはコース全体を覆ってしまいます。2本目のナイタースラロームは濃霧のなか、選手の視界に不安が残るものの、どこか幻想的な雰囲気で行なわれました。
まず2本目を盛り上げたのはカナダのブリジット・アクトン。1本目27位から大きくジャンプアップして、しばらくの間トップに立ち続けます。さらに、そのあとを引き継いだイタリアのキアラ・コスタッツァがさらに観客をヒートアップ。後続の選手が彼女のタイムを上まわることができないたびに、地元イタリアの応援団を中心に大きな歓声が挙がります。結局、コスタッツァは17位から8位までジャンプアップ。しかし、その後は1本目上位の選手たちがハイレベルのデッドヒートを展開します。
まず1本目6位のシルトがトップに立つと、コスタリッチ、タニャ・ポーティアイネン (フィンランド)、キルヒガッサーとかわし、メダル獲得を確定させます。そのシルトを2本目のベストタイムをたたき出して上まわったのが、チームメイトのホスプ。オーストリアのワンツーフィニッシュがなるか、パーションのランを待ちます。しかし、やはりパーションは強かった。1本目の貯金を減らしながらも、みごとにリードを守りきってゴール。悲願の金メダルを獲得しました。
ワールドカップ総合優勝を果たすなど、すでに女王としての名声と貫禄は充分に持っているパーションですが、オリンピックでの金メダルは初。ゴールではお馴染みのオットセイ
(?) ダイブを披露して、その喜びを表現しました。今大会ではダウンヒル、コンビネーションの銅メダルに続く、3個目のメダル獲得。明日24日のジャイアント・スラロームで4個目のメダルをねらいます。
また、日本からは廣井法代、星瑞枝、関塚真美の3名の選手が登場。全員が2本とも完走して、それぞれ27位、29位、38位という結果を残しました。けっして満足がいく成績ではなかったでしょうが、セストリエールの硬く氷結した斜面を果敢に攻めていたのは印象的でした。とくにオリンピック初出場となった星選手や関塚選手の
「(オリンピックは) 楽しむことができた。次へのステップにしたい」 というコメントは、今後への期待を抱かせてくれます。明日のジャイアント・スラロームには広井選手が登場します。女子SLのリザルトはこちら≫
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