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3日間に渡る予選、準決勝を経て、3月10日、ついに決勝競技が始まりました。決勝種目は、予定のウスバゲレンデから黒菱ゲレンデに会場を移して行なわれた「大回り・急斜面・総合斜面・フリー」、名木山ゲレンデでの「小回り・中斜面・規制(カービング)」、白馬シャンツェ・ラージヒルのランディングバーンを使う「小回り・急斜面・整地・フリー」の3種目。
準決勝を終えた段階での総合優勝争いは、男子では1位の柏木義之(1944pt)に4点差の2位の宮下征樹(1940pt)が続いていました。準決勝終了時点で総合3位の山田卓也の場合、トップとの点差は11点離れているので、事実上、リベンジを期す柏木と連覇を狙う宮下のふたりの一騎打ちの様相を呈していたといえるでしょう。女子では、嶺村聖佳が2位の山川純子に10点の大差をつけて独走態勢を固めつつあり、嶺村に大きな失敗がなければ、あるいは山川以下の女子選手たちがとてつもない得点を連発しない限り、嶺村の初優勝が決まるという状況の中、決勝3種目がスタートしました。
硬く締まったバーンで行なわれた第1種目の「大回り・整地」は、決勝進出レベルの選手たちにとっての難易度はさほど高くないのですが、それだけに正確なカービングテクニックの表現が要求されるという面でシビアさの高い条件。この種目でトップに立ったのは、カービング世代の申し子とも言える竹田征吾(278pt)。柏木と宮下のふたりは、ともに275ptの種目7位で終えています。女子戦線では、嶺村が種目2位の山川に1点差の276ptをマークし、さらにリードを広げていきました。
男子の総合優勝争いに動きが現れたのが、第2種目の「小回り・カービング規制」。雪面硬化剤で緩みを最小限に抑えられた名木山のバーンで、宮下は、スキー板がフォールラインからフォールラインへと
向うS字の軌道を、非常にすばやく描くカービングショーとターンで滑り284ptの高得点をマーク。その後、柏木も持ち前のすばやい動きをアピールしながら、クイックなりズムでカービングの弧を描いていきましたが、282ptと、わずかに宮下に及ばず、ふたりの得点差が縮まっていきました。嶺村は、この種目でも278ptという高得点を叩き出し種目トップを確保。確実に初優勝への階段を上がっていきます。
白馬シャンツェに舞台を移した段階で、2位に15ptの得点差をつけた嶺村の初優勝は、ほぼ確定的。たとえ大きなミスを犯したとしても、まず逆転はありえないという状況のため、嶺村自身も落ち着いた表情でスタート地点に向い、あえて非常以上の冒険を避けた滑りで種目2位の得点をマーク。確実に初優勝の栄冠を手にすることに成功しました。
最終種目を向えた段階で1位の柏木と2位の宮下との得点差は2点。この種目は、総合得点の低い選手からのスタートとなるため、ふたりの前に、軟らかい状況となったランディングバーンの上を、男女会わせて80名ほどが滑ることを考えると、致命的なミスが起きる可能性は決して低くなく、男子の総合優勝争いの行方は、まさにこの種目にかかっていました。この種目で最後からふたりめにスタートした宮下のスキーは、確実にスピードを稼ぎながら、かつ確実にターン弧を刻み込む、宮下としては珍しいほどに攻撃的な滑りで288ptという高得点をマーク。白馬シャンツェに押しかけた大群衆から、大きなどよめきを引き起こしました。あまりの急斜面のために、前の選手がどんな滑りをしたかを見ることができないスタート地点でそのどよめきをスタート地点で聞いた柏木は、一体、何を考えていたのでしょうか。その思いは、柏木自身にしかわからないものですが、「攻めて決めてやる」と考えていたのは間違いないはずです。そんな周囲の思惑どおり、ランディングバーンに滑り込んだ柏木のスキーは、シャープなエッジングで、すばやく弧を刻み込んでいきましたが、その滑りに出された得点は「284pt」。この得点が場内にアナウンスされた瞬間、連覇を決めた宮下は両手を高く掲げながらゴールゾーンの中央に踊り出て自身の優勝を称える歓声を浴びることになったのです。
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