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 今回のテーマは「抵抗」です。ターン運動に関係する抵抗はたくさんありますが、ここではスキーヤーが実際に感じとる抵抗を中心に解説したいと思います。ターン運動に関係する抵抗の代表的なものとしては、除雪抵抗、摩擦抵抗、圧雪抵抗、空気抵抗などが挙げられます。これ以外のものとして、抗力なども含まれますが、実際に滑っている時に、スキーヤーにはあまり感じとれない要素になります。ターン運動にまつわる抵抗とは、滑る力(推進力)を妨げる力であり、その中でも滑りながら感じとれる抵抗にうまく対応していくことが、上達のひとつの鍵になるのではないかと思います。

 除雪抵抗というのは、エッジングでスキー板が雪を押しどけながら進んでいく時に受ける抵抗のことです。摩擦抵抗とは、スキー板の滑走面と雪面との摩擦によって生じる抵抗のこと。これは、ワックスを塗ったり、滑走面にストラクチャー処理をすることで軽減でき、滑走性を上げることが可能です。圧雪抵抗とは、スキーヤーがスキー板で雪面を押すことで生じる抵抗のことです。そして、除雪抵抗、摩擦抵抗、圧雪抵抗をあわせたものを「雪面抵抗」と呼んでいます。なお空気抵抗は、滑走中に生じる空気の抵抗のことで、速度の二乗に比例して大きくなります。そのため、高速では非常に影響が大きくなり、アルペンレーサーたちは身体に密着したレーシングスーツを着ることによって、空気抵抗を少なくしています。

 これらの抵抗を実際のターン運動に当てはめて考えてみましょう。スキッディングターンの場合は、スキー板に対して横方向から雪面抵抗を受けることになり、それがスピードコントロールにつながっていきます。みなさんもご存じのようにスキッディングターンでは、スキー板をまわす(回旋する)ことによって、迎え角と角づけをつくりますが、それがターンに必要な雪面抵抗を受けるための運動だというわけです。最近のスキー板は、サイドカーブがきつくなり、サイズも短くなったので、ある程度の荷重と角づけができればスキー板自体が持つ回転力を引き出すことが可能になり、あまりひねるという感覚がなくてもターンができます。しかし、さまざまな条件を滑る場合には、スキッディング要素を活用することも必要であり、どうしてスキー板がずれながらまわるのか、その力の関係を知っておくことも大切でしょう。スキー板に対する、荷重と角づけを洗練させ、スキー板のしなりを効果的に使えるようになると、エッジングの質はカービング要素に近づいていきます。この場合、スキー板をしならせた量、つまり沈み込み角が迎え角と同じ役割を果たすことになります。その結果、カービング要素のターンの場合、雪面抵抗はスキー板が進もうとする進行方向から受けることになり、推進力の大きなターンが可能になってきます。このようにスキッディングターンとカービングターンでは、雪面抵抗を受ける方向が違っているので、それらをバランス良く受け止めるためのポジションにも違いが出てきます。スキッディングターンの場合、スキー板に対して横からかかる雪面抵抗が大きくなるので、その力とバランスをとるために外向傾姿勢がとられることになります。一方のカービングターンの場合、雪面抵抗が前からかかるため、上体の向きは両スキーと正対したものになり、それを正対したポジションと呼んでいます。

 カービングスキーになってから、スキー技術はスキー板の性能を効率的に引き出す要素が大きくなっています。そういう意味では、現在の技術の主流は、角づけと荷重をコントロールするものだと言えるでしょう。そこで大切になるのが、荷重をしっかりと行ない、スキー板をしならせるような運動を行なうこと、そして的確な角づけができるような脚部と身体の使い方を覚えることです。「荷重をしっかりと行なう」ことは、言葉にすれば簡単なことですが、スピードが上がるほど前方からの雪面抵抗が大きくなるため、前後のバランスをとることのむずかしさが増しています。それをクリアしてスキー板の性能を充分に引き出して滑るには、スキーブーツのセンター部分、つまり内踝の下部分に荷重ポイントを置き、それをベースに前後に的確に荷重バランスを変えることが必要になります。スキー板のショート化が進む現在、前後バランスの維持に技術的なポイントが置かれることが多くなっていますが、それには、このような雪面抵抗による影響もあるということです。


ターン中に受ける抵抗の種類 スキッディングの除雪抵抗のイメージ カービングの除雪抵抗のイメージ
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