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終盤戦 男子スラローム第10戦 02/29 Kranjska Gora(SLO)
| ノルウェーがワンツー・フィニッシュ。 |
| ミラー、ライヒ無得点で混戦はさらに激化
| 少し意外な結果となったGSに続き、クラニスカ・ゴラのスラロームも、今季のこれまでのレースとは様子の異なる上位ランキングとなった。優勝は、トゥルース・オヴェ・カールセン、2位トム・スチャンセン。前日のイタリアチームにかわって、この日はノルウェーからふたりの選手が表彰台に登った。ともに今季初の3位以内入賞で、カールセンにとっては、昨シーズンのKOスラローム
(セストリエール) を除けば、表彰台に登ること自体が初の経験である。 カールセンは、ワールドカップでは、昨シーズンから急激に台頭。そのために新鋭というイメージがあるが、年齢的にはまもなく28歳となるベテラン選手である。それまでもヨーロッパカップでは活躍していたものの、ワールドカップではなかなか壁を破れずに、足踏みを強いられた。ところが、昨シーズンついにきっかけをつかむと、スラロームとGSの2種目で力を発揮。今季も着実に入賞を重ねて上位進出をねらっていた。サンアントンのスラロームでは、1本目で僅差の2位につけ、ボディ・ミラーを脅かしたものの、2本目の滑りにブレーキがかかり、合計では6位に下がってしまった。だがその悔しさを、2週間後のこの日、みごとに晴らした。1本目5位というあまり目立たぬ位置につけていたが、2本目で抜け出し、ライバルたちの自滅もあってワールドカップ初優勝を果たした。
「コースコンディションは、思ったよりも良かった。最後までフェアなレースだったと思う。サンアントンでは悔しい思いをしたが、それが尾を引かないように気持ちをコントロールした。シーズン終盤の緊迫した時期に勝つことができてとてもうれしい」
と喜びを語った。 続く2位に入ったトム・スチャンセンは、スラローマーとしては最年長。ワールドカップ全体を見回しても、彼よりも先に生まれた選手はパウル・アッコラ、シュテファン・エベルハルター、フレドリック・ニーベルクら数人しかいない。スチャンセンは97年のセストリエール世界選手権のスラロームチャンピオンだが、ワールドカップでの勝利はわずか1度。2年前のマドンナ・ディ・カンピリオで2位になって以来、表彰台からも遠ざかっていた。さらに、今季の半ばには第1シードの座からも転落し、周囲では引退も取り沙汰されるほど。この日のゼッケンは17番。元世界選手権チャンピオンとすれば崖っぷちに立たされたといってよい状況だった。だが、この日めぐってきたわずかなチャンスを、冷静にものにした。1本目は12位につけ、2本目で一気に勝負に出た。10人を飛び越えて2年ぶりのワールドカップ表彰台に到達。これでふたたび第1シードの座を確保した。
「ここに戻ってくるまで、長く苦しい道のりだった」 ベテランは、感慨深げに語った。 「正直言って、弱気になることもあった。しかし、俺はまだまだやれるんだと信じ、自分に強く言い聞かせた。今年は同年代のチェティル・アンドレ・オーモットとラッセ・チュースがケガでワールドカップを離れてしまったのも寂しいことだった。だが今日の2位で、自信を取り戻すことができた」。ただし、引退するかどうかは、オフの間に家族と話し合って決めるそうである。
ベテランの復活といえば、ユーレ・コシールの10位も特筆すべき成績と言えるだろう。ワールドカップで3勝を挙げ、トップスラローマーとして高い人気を誇ったスロヴェニアのエースも、昨年から成績が急降下。今季もカーブは下降線を描き、復活の兆しはなかなか見えなかった。だが、この日は、高い集中力を保ち、実に粘り強く戦って10位。表彰台には遠くおよばなかったが、ゴール後の表情に久々に笑顔が浮かんだ。スロヴェニアは、サンアントンで出場した9人中7人が転倒するという惨敗を喫したが、地元のレースに向けて、短期間でよく立て直してきた。この日はドラゴ・グリュベルニックが5位に入賞し、コシールの復活と合わせ、今後に希望の持てる戦いを見せた。
前日のGSの勝者、ボディ・ミラーは貴重な得点チャンスをものにすることができなかった。1本目、前半の緩斜面でバランスを崩し飛び出してしまったのだ。すばやくコースに戻り、ふたたび滑り出したものの、2本目に進むことはできなかった。なりふりかまわず飛ばしまくった後半のスプリットタイムは全選手のなかで最高記録。しかし、失ったタイムはあまりにも大きく、この日は得点の加算はゼロで終わった。
これに付き合うようにベンジャミン・ライヒも旗門不通過で失格した。これでスラロームのタイトル争いからは完全に脱落。もうひとつ可能性のある総合優勝争いでも、ヘルマンとの差を詰めることはできなかった。結局この週末で稼いだポイントはGSのわずか14点だけ。大事な終盤戦で予想外にもたついてしまった。
ライヒの脱落でタイトルの行方がライナー・シェーンフェルダーとパランダーのふたりに絞られたスラローム。だが、大事なレースでふたりとも今ひとつ滑りが冴えず、シェーンフェルダー4位でパランダーは6位。残り1レースでその差は55点に広がり、パランダーのタイトル防衛はむずかしい状況になった。
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