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終盤戦 男子スラローム第8戦 02/07 Adelboden(SUI)
| 明暗を分けたオーストリア勢。 |
| シェーンフェルダーが今季初優勝で |
| 種目別トップに立つ
| いわゆる3大クラシックレースには数えられないが、アデルボーデンのGSは、ワールドカップよりもはるかに古い歴史を持つ伝統の大会である。ただし、このコースでワールドカップのスラロームが行なわれたことは意外に少なく、これまでに2000年と2002年のわずか2回しかない。だが、GS同様、この
"クオニスベルグリ" は、スラロームでも手ごわいコースである。選手たちに 「アデルボーデンのスラロームはむずかしい」 という意識を植えつけるには、たった2回の開催でも充分だったようだ。
GSコースの下半分を使うスラロームは、スタート直後が急斜面。その後は中斜面と緩斜面がいくつかのうねりでつながり、やがて右に大きくカーブしながらすさまじい急斜面へ突入する。さらに、終盤にはテラス状の緩斜面とうねりのある中斜面が待ち受けており、スタートからゴールまで、いたるところに罠が仕掛けられている。加えて今年は、尾根筋のコース前半部分に風が巻き、しばしば視界が悪化するために、技術的な難度はさらに上がった。
1本目をリードしたのは、オーストリアの3人だった。マンフレッド・プランガーが0秒76の大差をつけてトップに立ち、ベンジャミン・ライヒが2位、さらに僅差でライナー・シェーンフェルダーが3位に続いた。ライヒとシェーンフェルダーは、スラロームの種目別ランキングで激しく首位を争うライバル。シュラドミングで勝ったライヒが、この時点ではポイントリーダーだったが、ふたりの差はわずか27点しかない。さらにふたりの間には、昨シーズンのスラローム・チャンピオンであるカレ・パランダー
(フィンランド) がつけており、レースごとにめまぐるしく順位が入れ替わる。タイトルをねらうためには、1レースもおろそかにすることはできず、その意味でも緊迫したレースとなった。だが、好位置につけたオーストリア勢とは対照的に、パランダーは1本目で消えた。コース前半、中斜面の深まわりで転倒。前日のGS優勝で気分良く臨んだレースで、アデルボーデン2種目制覇をねらったが、かなわなかった。
「スラロームでは何が起こっても不思議はない。小さなミスだったが、一瞬にしてすべてが終わった。これがスラロームのむずかしさだ」 と悔しさをにじませた。
2本目は、オーストリア勢が明暗を分けた。3位だったシェーンフェルダーが、彼らしい実に安定した滑りで首位に立ち、一方大量リードにもかかわらず、それを精神的な余裕に変換できなかったプランガーは、自滅した。スタートからまったくリズムをつかめず、その苛立ちが見るものにもわかるほど落ち着きのない滑りで、中盤手前でコースから飛び出していった。プランガーは、マドンナ・ディ・カンピリオでも1本目でトップに立ちながら3位に沈んでおり、この日も2本目で撃沈。土壇場でのメンタル面で弱さを露呈することになった。
ライヒは、攻撃的な滑りを見せたものの、ミスも多く、先に滑ったシェーンフェルダーの上に出ることはできなかった。ボディ・ミラーにも抜かれて3位。しかし、スラロームのポイントリーダーの座はシェーンフェルダーに譲ったものの、かわりに総合でヘルマン・マイヤーを抜いてトップに立った。
「今日の成績には満足しているが、滑りそのものには不満が残る。シュラドミングの後は、ガルミッシュの高速系レースに備えたのでスラロームの練習ができなかった。だからとくに今日の1本目は苦労した。2本目はアタックしたが、なかなかリズムに乗れなかった」。だが、ガルミッシュのスーパーGでクラッシュし、一時は戦線離脱も心配されただけに、この日の2位は上出来。まだ痛みの残る身体に鞭を打って強行出場した報酬は充分に手にすることができたと言えるだろう。
シェーンフェルダーにとっては、これが通算5勝目となるが、今季に限って言えば初勝利である。ここまでの7レース中6レースで上位入賞し、2位が2回に3位1回。抜群の安定感を示しながら優勝がなかっただけに、ゴールでは喜びが爆発した。
「このうれしさは表現のしようがない。今シーズンはつねに安定していたが、最後の決め手を欠き、優勝できなかった。マニー (プランガー) のリードが大きかったので、今日は彼の優勝だろうと思っていたが、諦めないでよかった」
と語る。これで、スラロームの種目別トップ。 「今日でシーズンが終わりだったらいいのに」 と言って記者を笑わせた。 ミラーは2本目に目の覚めるような滑りを見せて2位。シーズン前半絶不調だったスラロームで復調の兆しをはっきりと見せている。
「昨日のGSで失敗しているので、今日の1本目は慎重に滑った。だが2本目は上位をねらってアタック。ミスも少なく今後に自信の持てる滑りだった。スラロームの表彰台に上がることは、今季の大きな目標だったのでとてもうれしい」
と語る。だが、彼にとってもっと重要なのは、GSの転倒で脱落しかけていた総合優勝争いに、何とか踏みとどまったことである。
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