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アルペンサイトTOP 02-03 Alpine W-CUP 取材レポート
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【2004年SJ3月号】
序盤戦イタリアシリーズ 「ドロミテの熱い冬」
男子GS第3戦
男子GS第4戦
男子SL第2戦
女子SL第2戦
男子SG第3戦
男子DH第3戦
〔SJマンスリーウォッチ 4〕
ヘルマン・マイヤー
〔SJマンスリーウォッチ 5〕
カレ・パランダー
〔SJマンスリーウォッチ 6〕
ボディ・ミラー
〔SJマンスリーウォッチ 7〕
ラッセ・チュース
〔SJマンスリーウォッチ 8〕
イヴィツァ・コスタリッチ
〔SJマンスリーウォッチ 9〕
皆川賢太郎

 他のレポートはこちらから
2004年SJ1月号
2004年SJ2月号
2004年SJ4月号
2004年SJ5月号
2004年SJ6月号

序盤戦イタリアシリーズ
〔SJ MONTHLY WATCH 4〕 ヘルマン・マイヤー

混戦の主役

触れれば火傷をしそうな、熱い気が今なお満ちている
ヘルマン・マイヤー 多くの人は、今季のヘルマン・マイヤーに、果たしてどれほどの期待をかけていいのかを、図りかねているのではないだろうか。秋、膝の調子が思わしくなく、開幕戦の出場が危ぶまれるという情報が流れたときは、あまり多くは望んではいけないのだ、と自らの楽観を戒めただろうし、北米シリーズで立て続けに2勝を挙げたときには、一転、無慈悲なまでの強さを誇った全盛時の姿を、彼に求めてしまう。ファン心理のインジケーターは、不安と期待の間を大きく揺れ動き、その振幅が大きくなるたびに、ヘルマン・マイヤーへの思いが募っていくのではないか。

 実際のところ、現在の彼の調子がどれほどのものなのか。それは本人とごく近しいスタッフにしかわからないだろう。だが、それはそれとして、ヘルマン・マイヤーはワールドカップの総合優勝を争う好位置につけている。"ハーミネーター"の鎧を脱ぎ捨て、バスタブの湯に深く身を沈めたとき、あるいは痛みに耐える苦悶の表情を浮かべているかもしれない。しかし、少なくともファンの視線の届く場においては、彼の身体から王者のみが持ち得るオーラが力強く立ちのぼるのである。

 ヴァル・ガルディナのスーパーGで3位となったとき、彼はこう言っている。硬くバンピーなコースは、あなたの膝にどのように影響するのか? という質問に対する答だ。
「今日は、1カ所だけ問題となる場所があった。難関だったけど、リスクは冒さないように通過した」。

 続けて、翌日のダウンヒルに向けての戦略については
「スタート前には、もちろんナーバスになるだろう。だけど、極力リラックスするよ。とくにジャンプではがんばりすぎず、気楽に楽しむつもりだ」 と語っている。

 推測すれば、コンディションは決して万全ではない、しかし、気持ちのほうは勝利以外のものを望んではいない、ということだろう。

 写真は、ヴァル・ガルディナのダウンヒルコースをインスペクションするヘルマン・マイヤーである。ボディ・ミラーはわずか10分で下見をすませ、愛用のモーターホームの中へ消えていったというのに、90分の規定時間のうち70分を費やして、彼はまだ全体の半分も降りていない。傲慢なほどにマイペースなヘルマン・マイヤーのインスペクションは、以前とまったく変わっていない。
「ケガを経験して、ヘルマンは大人になった」。以前よりも丸みを増した彼の印象について、誰もがこういう。しかし、それはあくまでコースの外での話だ。戦いの場に身をおくときのヘルマン・マイヤーには、触れれば火傷をしそうな、熱い気が今なお満ちている。

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