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序盤戦イタリアシリーズ 男子ダウンヒル第3戦 12/20 Val Gardena(ITA)
| A・デネリエ、オーストリアの牙城を崩し |
| 高速空中戦を完全制覇
| ヴァル・ガルディナのダウンヒルコースは、ボルミオやヴァル・ディゼールと並ぶ高速コースである。前半の3分の1は森林限界よりも上のオープンゲレンデ。ここは、緩やかなターンとジャンプが交互に現われる滑走区間。その後コースは樹林帯の中に入りジャンプが連続する。やがて"チャスラトーの草原"と呼ばれる幅広の技術区間に出て、ここでスーパーG的なターン技術が試される。すでに1分を超えたところの高速ターンなので、脚部にかかる負荷は相当にきついはず。そして最後はふたたび林間に入り、沢状の中斜面をゴールへとひた走る。全コースを通じた平均時速は、ほとんど110kmに達し、加えて10カ所近いジャンプを飛ばなくてはならない。なかでも、コース半ばのキャメルジャンプが有名だ。ここはらくだの背中のようなコブが3つ続く区間。かつては、3つまとめて一気に飛んだ猛者
(初めてこの荒業に挑んだのはウリ・シュピース) もいたが、現在では最初のふたつを一度のジャンプで超え、3つ目でもう一回飛ぶ2+1が主流。その他にもターンの途中で飛ばされるチャスラトーの入口のジャンプなど、随所で派手な空中戦が展開されるスリリングな高速コースである。
優勝候補筆頭に挙げられていたのは、フランスのエース、アントワーヌ・デネリエだった。昨シーズンのこのコースの勝者で、前日の最終トレーニングランでもベストタイムを記録。現在のダウンヒルではもっとも理想的と言われる30番のスタート順を手にしていた。しかし、通算2勝しているとはいえ、ベテランに強豪がひしめくダウンヒルでは、決して経験豊富というわけではない。周囲から注目されるプレッシャーで、レース前はかなりナーバスになっていたという。
「レース前は極力リラックスしようとレストランで休んでいた。そして、スタートハウスに向かおうとしたら、ハンス・クナウスがすばらしいタイムを記録していた。一瞬、気後れしたが、アタックしかないと思い直した」。
コースに飛び出したデネリエには、もはや迷いはなく、全コースを完璧なアタックモードで滑りとおした。14番目に滑り、そのまま最後までトップに残りそうだったクナウスのタイムを0秒92も上まわった。直後に滑ったポイントリーダー、ミヒャエル・ヴァルヒホッファーもクナウスの上に出たが、しかし、デネリアのタイムには0秒89も届かなかった。
「大差で優勝したこと自体、もちろんうれしいが、オーストリアに勝ったことが、もっと重要だ。プレッシャーに対してうまく対応できたことが勝因のひとつだろう」。
オーストリアは、2位から6位を独占し、10位以内には7人を送り込む充実ぶりだったが、トップだけは取れなかった。3位となったクナウスは 「ゴールでデネリエの滑りを見ていたが、全コースまったくミスがなかった。とくに後半の高速ターンでスピードが落ちなかったので、負けを覚悟した」。
そのクナウスは、総合首位のヘルマン・マイヤーを2位で追走中だ。しかし、タイトルにはまだ関心を示さない。 「もし、2月のスケジュールをすべて終了した段階でこの位置にいたら、総合優勝もちらつくだろう。だが、それを考えるのはまだ早い。今はダウンヒル、スーパーG、GSの3種目に集中するつもりだ」。
総合ランキングの上位には3種目をこなす準オールラウンダーたちがずらりと並んでいる。一方、今季も4種目に挑み、全レース出場を続けているボディ・ミラーは高速系が振るわず、得点が伸びない。近来まれに見る混戦模様となった総合優勝争いは、まだまだファンを興奮させてくれるはずである。
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