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アメリカズ・オープニング 〔COLUMN 2〕 R・シェーンフェルダーの再レース騒動
ライナー・シェーンフェルダーの再レースをめぐる議論は、二転三転し、この原稿執筆時においても、最終的な決着に至っていない。ワールドカップのレベルで問題とするのは、どうかと思うような単純な出来事なはずだが、当初の予想をはるかに上まわる大きな揉め事に発展してしまった。ここで、事実関係を整理しておこう。発端は、ゼッケン5番のライナー・シェーンフェルダーの1本目の滑走中、コース係員が腰を負傷し、コース脇に座り込んで動けなくなったことである。その位置は、滑走ラインにかなり近く、レーサーの視界のなかに入ることはまちがいなかった。シェーンフェルダーは、この問題の箇所を通過した直後、バランスを崩し、コースアウト。そしてこの後、審判団に再レースをアピールした。
「係員が視界に入って、滑走を妨害された」 というのがその理由である。 審判団は、暫定的にこれを認めた。シェーンフェルダーは2度目の滑走を行ない、1本目のベストタイムを記録。2本の合計タイムでは、カレ・パランダーに次ぐ2位となった。 問題となるのは、次の2点である。
まず第一に腰を骨折していた係員の位置が、果たしてインターフェアにあたるかというのが最初の問題点。次にシェーンフェルダーのアピールがルールに基づいて行なわれたかである。ルールによれば、インターフェアがあったと感じたら、即刻止まって、自分のコーチに対して、あるいはジュリー、または担当者に対して、インターフェアがあったことを報告しなければならない。彼の行動が、はたしてこのルールに照らし合わせて正しかったかどうかが、第二の問題点である。
審判団はこの2点について、2本目の競技開始までの時間を使って検討した。しかしこの段階で結論を出すには、時間が足りなかったため、暫定的にシェーンフェルダーの再レースを有効とした。さらに、後に彼が失格となった場合にもレースを成立させるために、1本目31位のミヒャエル・ヴァルヒホッファーにも2本目を滑る権利を与えた。
一方、この暫定措置に対して10チームが抗議を提出。2本目終了後、あらためて協議した結果、審判団はこの抗議を容れて、シェーンフェルダーの再レースは無効とした。理由は、シェーンフェルダーは、仮に妨害されたと感じたら、速やかに滑走をやめなければならなかったにも関わらず、当該箇所を通過後にコースアウト。したがってその後に行なったアピールは認められない、というものだった。いったんは、これにて一件落着かと思われた。ところがオーストリアチームが直ちに不服の申し立てをしたために、後日、FIS
(国際スキー連盟) の抗議委員会が、再審査することとなった。その結果、委員会はオーストリアの主張を認め、一転、シェーンフェルダーの2位が復活。これが、ことのおおよその顛末である。
この決定で割を食ったのは、2本目のベストタイムを記録し、1本目31位から11位に上がっていたヴァルヒホッファー。シェーンフェルダーの再レースが有効とされたため、彼が2本目を滑る権利は消滅。せっかくのスーパーランも記録から抹消された。さらにイタリアチームは、この裁定に猛反発。3位のジョルジョ・ロッカが4位に下げられたこともあり、再度抗議を提出したという。事態は今後も変動が予想され、最終的な決着がつくまでまだひと波乱ありそうである。
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