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02-03 Alpine W-CUP 取材レポート
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【2004年SJ1月号】
開幕戦 「冷たく、熱く燃えた氷河の戦い
女子GS第1戦
男子GS第1戦
〔SJマンスリーウォッチ 1〕
佐々木明

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03/04 Audi FIS AlpineSki Worldcup 開幕戦
冷たく、熱く燃えた氷河の戦い

 03/04シーズンのアルペンスキー・ワールドカップは、例年どおり、ゾルデンで始まった。10月最後の週末、エッツタールの谷間を上り詰めたレッテンバッハ氷河で "白いサーカス "が開幕するようになってから、すでに10年あまり。今では、このグレッチャー (氷河) レースはヨーロッパにひと足早い冬の訪れを知らせる重要なイベントとして親しまれている。今季も開幕戦の種目は男女のジャイアント・スラローム (GS)。スタート地点の標高が男女ともに3000mを越える厳しい条件下のレースである。今夏、ヨーロッパは記録的な猛暑に見舞われ、アルプス各地の氷河は氷の融解による縮小が話題となった。だが、その後は比較的早く秋が訪れ、降雪も順調。ここゾルデンもコースは上質の新雪に厚く覆われ、この数年来ではもっとも良いコンディションが整った。天気は2日間ともきれいに晴れ上がり、1本目競技開始の時点でマイナス20度という強烈な冷え込み。そのせいか、コースは硬く締まって最後までよく持ちこたえた。こうしたコンディションの良さは、高レベルのレースを演出し、03/04シーズンのワールドカップは、早くも開幕から激しくヒートアップした。

 現在のワールドカップの勢力図を考えた場合、GSは男女ともに総合優勝の鍵を握る重要な種目と言えるだろう。高速系種目に強い選手と、技術系種目を得意とする選手が真正面からぶつかり合うのがGSだからである。とくに、男子では昨シーズンの総合優勝を激しく争ったシュテファン・エベルハルターとボディ・ミラーが今年も有力な優勝候補で、そこにオートバイ事故から本格的に復帰するヘルマン・マイヤーがからむ展開が予想されるが、3人ともGSで多くの優勝経験を持つだけに、この種目でのポイントの奪い合いがおもしろい。エベルハルターとマイヤーのふたりは、得意とする高速系種目でポイントを荒稼ぎしたうえで、GSでどれだけ上積みできるかがポイントとなるだろうし、一方のミラーにとっては、GSの種目別優勝をしっかり確保し、そのうえで高速系種目に打って出るという戦い方となるだろう。彼には、昨年予想外に振るわなかったスラロームでの立て直しというもうひとつの課題があるのだが、いずれにしても、GSでいかにポイントを積み上げるかが、総合優勝の行方を大きく左右することはまちがいない。

 そうした意味で、このゾルデン開幕戦の持つ意味は大きい。昨シーズンはエベルハルターがここで優勝し、その勢いを駆って総合優勝も獲得。一昨年は女子の優勝者ミカエラ・ドルフマイスターが同じく総合優勝を獲得し、男子の勝者フレデリック・コヴィリはGSの種目別チャンピオンに輝いている。過去の例を見ても、このレースが単なる38 (今季の男子のレース数) 分の1ではないことがわかるだろう。

 ところが、この大事なレースに、ふたりのスター選手がエントリーしなかった。大会直前、ケガのために戦列を離れたチェティル・アンドレ・オーモットと、オフシーズンの間に4度の手術を受けた膝の回復具合が遅れているヤニツァ・コスタリッチである。コスタリッチは、兄のイヴィツァ・コスタリッチの応援をするためにゾルデンに現われたものの、レースは欠場。年末からレースに復帰する予定だが、その後甲状腺の機能障害があることが判明。正確な復帰時期は現段階では不明である。

 一方、足首を骨折したオーモットは、今季中のカムバックはほぼ絶望的だという。アクシデントは、開幕戦を4日後に控えたGSトレーニング中に起きた。内スキーで旗門を引っかけた彼は、まるで側転をするように数回転。彼自身「選手生命が終わるのを覚悟した」というが、古傷のある膝に大きなダメージを受けずにすんだのは、不幸中の幸いだった。夏には自宅金庫からこれまでにオリンピックと世界選手権で獲得した19個のメダルをすべて持ち去られる盗難に遭っているオーモット。しかし、その闘志は度重なる災難にもかかわらず旺盛で、「今季完全に休めば、来年はまた100%のモティベーションで戦える」 とあくまでも前向きな姿勢を崩していない。

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