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02-03 Alpine W-CUP 取材レポート
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【2004年SJ1月号】
開幕戦 「冷たく、熱く燃えた氷河の戦い」
女子GS第1戦
男子GS第1戦
〔SJマンスリーウォッチ 1〕
佐々木明

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開幕戦
男子ジャイアント・スラローム第1戦 10/26(日) ZOELDEN(AUT)

圧倒的強さと充実感
B・ミラー、充実の滑りで好スタートを切る

 ゴールエリアはもちろん、コースサイドのかなり上のほうまでファンがあふれ、男子開幕戦は例年にも増して、熱い雰囲気の中で行なわれた。その最大の要因は、2年前のオートバイ事故以来久々に姿を現わすヘルマン・マイヤーへの期待である。昨シーズンの彼は、1月半ばのアデルボーデンからサンモリッツ世界選手権の前半まで、約25日間だけ戦線復帰。いわば期間限定の慣らし運転の間に、早くもキッツビューエルでのスーパーGで優勝、さらに世界選手権のスーパーGでも銅メダルを獲得する活躍を見せたが、その後ふたたび戦列を離れ、ケガの回復に専念していた。オフシーズンの間も、回復の遅れが伝えられ、開幕戦出場が疑問視されたものの、必死の調整で間に合わせ、ゾルデンの氷河に姿を現わした。
 
 だが、この日のレースでヘルマン・マイヤーから、そして最強を誇る地元オーストリアチームから主役の座を奪い取ったのは、昨シーズンの総合2位、ボディ・ミラーである。彼は、1本目のベストタイムをマーク。硬いコースと難度の高いポールセットに、思うようなアタックがかけられなかったというが、それでも2位フレデリック・コヴィリに0秒09という僅差ながらトップを奪う快走だった。2本目のミラーは、午前中のフラストレーションを吹き飛ばすかのように、アグレッシブな滑りを見せた。スキー板を下へ下へと落とす独特のアクロバティックな滑りで過激にアタック。ふたたびベストタイムをマークする圧倒的な強さで、開幕戦の勝利をつかみとった。タイム差は2本合計で1秒12。いかにも彼らしい、ぶっちぎりの勝利である。

 2位はコヴィリ、3位も同じフランスのジョエル・シェナルが入り、フランスは充実したチーム力を示した。対照的に、オーストリアは、前日の女子開幕戦に続き、表彰台にひとりも送り込むことができなかった。表彰台直下の4位ですら、イタリアの新鋭アーノルド・リーデルに奪われ、チーム最高位はベンジャミン・ライヒの5位。オーストリアはライヒ以下9位までに5人をずらりと並べたが、戦前の予想、そしてファンの期待を考えれば明らかな惨敗である。昨シーズンの総合チャンピオン、シュテファン・エベルハルターは8位にとどまった。

 注目のヘルマン・マイヤーは、ミラーから3秒09の遅れで16位。昨シーズン、すでに懸念されていたように、GSでは、まだ全盛時の滑りを取り戻せていない。レース後の彼は、ファンの熱い声援に感謝しながら、次のように語っている。
「長い欠場の間、レースに飢えていたので開幕戦のスタート台に立てたことがうれしい。今日の目標は15位以内。何度もミスをしたにもかかわらず16位に入れたのだから、まずまずだ。GSに関しては、まだ膝に不安があって充分な自信を持てないが、何とかゴールまでもってくれてほっとしている。ダウンヒル、スーパーGになれば、もっとましな滑りができるだろう。高速系種目の始まる11月末が楽しみだ」。

 結果的には、ボディ・ミラーの存在感ばかりが際立つレースだった。1本目の1位が2本目は30番目に滑るという現行のルール下で、ベストタイムを2本揃えることは至難の業である。それだけこの日のコース状況がすばらしかったとも言えるが、だとしても30番目に滑ってベストタイムをマークしたことは賞賛に値する。そして、さらに特筆すべきなのは、ファンの間の彼の人気の高さだろう。ここオーストリアでも、彼に送られる声援は、ヘルマン・マイヤー、シュテファン・エベルハルターに対するそれに匹敵する。オーストリアの惨敗に終わったこの日も、フランスの選手に勝たれるくらいならば、ミラーに勝ってほしいという雰囲気が会場にあふれていた。そんなミラーに対して、記者会見では、早くも今季の総合優勝に関して質問が飛んだ。彼は 「まだ1レースが終わっただけで、それについて話すことはできない。でも、今年はリラックスしてレースに臨めるし、多くのレースで勝つ準備ができている」 と答えている。その言葉どおり、今シーズンの彼が、快進撃を続ければ、ワールドカップには新しいスーパースターが誕生することだろう。

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